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2006/05/31

雪に願うこと

矢崎学は都会の虚栄に憧れ、一度ふるさとと家族を棄てた男。
その学が東京で挫折し、故郷・帯広に戻り、
兄・威夫が営むばんえい競馬の厩舎で威夫と不器用に対峙しつつも、厩務員たちと暮らしはじめる。
そして、そこで自分と同じ崖っぷちに立たされた馬・ウンリュウに出会う。
極寒の北海道、馬の吐く真っ白な息、13年ぶりに再会する母、厩舎の人たちとのふれあい・・・・。
厳しいながらもいのちに囲まれ、地に足をつけた暮らしの中で、学は再生へのきっかけを掴んでいく・・・・。
(チラシより)

京都みなみ会館で観てきました。
MOVIXでも上映されているのですが、会員カードが見あたらなくて、それならみなみ会館の会員も募集中だし、その手続きもするのにちょうどいいや~って。

そんなことはどうでもいいんですけどね。

ばんえい競馬というのは、名前は聞いたことがあったのですが、実際にはこの映画で初めて触れました。
騎手はサラブレッドとは別の「輓馬」という種類の馬の曳くソリに乗り、全長200mの直線に途中2つの坂があるコースを走るのだそうです。馬はみな巨漢で、ソリもかなり重そう。馬場はかなり土が深く足ものめり込むような「難コース」で、坂を越えるために途中で馬を止めて息を整え足を貯めるという駆け引きも行われるという、なかなか変わった競馬です。世界でも北海道にしかないとか。

ストーリーは上記の通りなんですが、何といってもこの馬と、凍てつく寒さの迫力に圧倒されました。
特に早朝、馬を曳くシーンなどは、馬の身体からもうもうと白い湯気が立ち上り、凛としたすがすがしさすら感じます。やっぱり北海道寒いんだなあ。

先日の間宮兄弟も兄弟を軸とした設定でしたが、今回も学(伊勢谷友介)とその兄威夫(佐藤浩一)が軸となっています。佐藤浩一はなかなかの演技でした。厩舎で何が一番大切かというのをしっかりわきまえて地道に生きているという男の姿を全身で表現していました。挫折して舞い戻ってきた弟を突き放しつつも、しっかりと受け止める優しい兄で、間宮兄弟とは全く違いますが、兄弟ってやっぱりいいな~と思います。

厩舎の母的存在の賄婦役が小泉今日子なんですけど、は~キョンキョンも、もうこんなおばちゃんの役なのかあと思いました。自分も改めて歳を取ったことを実感します(^^; きれいでしたよ、映画のセリフにもありましたが、「こんなところにいてももったいない。東京に行けばもっと稼げるのに・・・」って感じ(笑)

女性騎手役の吹石一恵、なかなか大変な役だったと思いますが、上手に演じてました。動物相手の映画は本当に大変だと思います。まして相手は巨漢馬ですし。でも、厩舎や競馬場で濃密に馬と触れあえるなんて、役者さんはいろいろな経験ができてうらやましいなあと思います。

監督は根岸吉太郎氏。この人の映画は「遠雷」(古いな~)しか観たことがないんですけど、何かこう土臭さを感じさせる独特の雰囲気を持った映画ですね。
でも、本当はなくなった相米慎二監督の意志を継いで、映画化したということだそうです。
原作は鳴海章氏の『輓馬』という小説。読んだことはありませんが、映画のタイトルもこの方が味があったように思うなあ。地味すぎてだめなのだろうか(漢字も読めないし・・・)

でも、地味な映画ではありますが(レディースデイですが実際観客もまばらでした)、佳作です。
東京国際映画祭でも、グランプリ・監督賞・最優秀男優賞・観客賞の四冠だそうです。(観客賞?見に来た観客も評価されるの?とお馬鹿なことを考えてしまったのですが、見に来た観客を評価するのではなくて、見に来た観客が下した評価が高いってことですよね・笑)

改めて、公式サイトはこちら → 雪に願うこと

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