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2006/07/06

ククーシュカ ラップランドの妖精

フィンランドの北部、ラップランドを舞台としたこの映画。京都シネマで鑑賞。
(今年はフィンランド当たり年なのか、そういえば「かもめ食堂」もフィンランドでしたね)

公式サイトはこちら → 「ククーシュカ ラップランドの妖精

フィンランド最北の地ラップランドで、ロシアとフィンランドが戦っていた頃のこと。平和主義者であるフィンランドの狙撃兵ヴェイッコは、仲間に岩に鎖でつながれたまま置き去りにされてしまう。もうひとり、秘密警察に逮捕されたロシア軍の大尉イワンは連行中、味方の軍の誤爆によって重傷を負う。そんな兵士2人を偶然に助けたのが現地に住むサーミ人の未亡人アンニだ。自分の小屋にかくまってやることにした彼女にとって2人は敵ではなく、ただの男たち。ところがそれぞれが互いにフィンランド語、ロシア語、サーミ語しか理解することができなかった! 言葉のコミュニケーションはまったくとれないまま、3人のユーモラスでちょっと不思議な暮らしが営まれるが、ある日のこと、事件が起こる……。(公式サイトより)

前半は、置き去りにされたヴェイッコが岩に打ち込まれた鎖のビスをはずそうと、あの手この手で格闘するシーンが中心です。同じような場面が淡々と続きますが、それがまた彼の苦労を忍ばせます。
かたやイワンは、味方の誤爆で怪我をしたところをサーミ人のアンニに助けられ、彼女の家に運ばれるのですが、このアンニがなかなか性的に天真爛漫(?)な女性。4年前に夫を戦争に取られ、4年間一人で過ごしている彼女は男の肌に飢えているんですね。

そこに鎖が抜けたヴェイッコが現れるのですが、彼がアンニ好みだったようで、一目で気に入られます。でも、彼らはお互い全然言葉が通じない。特にイワンとヴェイッコ(彼はフィンランド軍なのですが、置き去りにされるときにドイツの軍服を着せられています)は敵国同士。イワンはヴェイッコを完全にドイツ軍だと思いこみ、ことある毎に敵意を見せます。密かにアンニに思いを寄せるようになったイワンは、アンニがヴェイッコを選んで自分の「思い」を遂げたりするので、さらにやっかみも入ります。

3人の共同生活が始まってからの3人のやりとりがおかしい。言葉が通じないのでまるでコントのような感じです。みんな自分の都合のいいように相手の言葉を解釈したりして、それでも何とか生活が続いていきます。
そんな中でイワンも徐々に気持ちを和らげてはいくのですが・・・

いろいろあって(ネタバレになりますので詳しくは言いませんが)、ヴェイッコが死にかけます。
そこで繰り広げられるアンニの儀式的な「介抱」。どの国にも死ぬときには三途の川があるようです。ストーリー的には作り話っぽいのですが、そういう信仰・風習があるということに比較民俗学的に大変興味がひかれました。

ラップランド、荒涼とした感じなのですが、自足自給的に魚を捕ったり、家畜のミルクを絞ったりして生活している、何もないけど現代的な貧困は何もない感じでした。ラップランドに行った旅行者は魔法にかかって、何度も訪れるそうです。確かになぜか魅力的。行ってみたい感じがします。

戦争映画でもないし、恋愛映画でもないし、ジャンル分けの難しい映画ですが、不思議な魅力があります。この映画自体にもラップランドの魔法がかかっているのかもしれません。

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